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Canadian North and Aurora Borealis

極北カナダとオーロラ [No008/2004.03.25]

珍しく朝早くから家のドアがノックされた。
「何だ?」と思いながら外に出てみると、漁師の知人が居た。

「シャチがやってきたんだ」

「ソリャ凄い」と話した後、天気の話し、そして無言が続く。

暫くした後に、「見に行かないか?」と彼が言う。

返事するまでも無く、すぐに準備を始める。
昨夜、蝋燭魚キャンプ(蝋燭魚から油を作る昔ながらの小屋)からの帰りに、またタイヤを一本駄目にした(この3年で10本目だ!)のを思い出し、集合時間に迎えに来てもらうことにする。

今年一の暖かい風。 気温は15度に達しようとしていた。
漁港から出発するとすぐに、対岸で何かが動いているのが見える。
トドだ。 このトドや、イワシを捕獲するために、シャチがやってきたらしい。

シャチの潮吹きを目当てに進み、7頭の群れの中に入る。
エンジンを切ると、我々の周りを大きなボスは悠々と泳ぎ、小さな子供たちはうれしそうにバシャバシャと尾びれを水に打ちながら泳いでいた。

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太陽に照らされて色の付いた、シャチの潮吹き


2時間ほど観察しただろうか。 付近でオヒョウ(オバケ平目)漁をしている小船の周りに群れは近づいていった。 延縄漁のえさを掠め取っているらしい。 この漁船は全長5メートルほどの小さなもので、シャチの横ではとても小さく見える。 2人の魚師は全く気にもかけていない。

P101-2641
延縄漁船とシャチ

以前、カヤックで沖に出た際に、2頭のシャチに出会った。 銃やカメラを持っていないことが分かったのであろうか、1頭がどんどん近づいてきた。 我々は10メートルほどの距離を保ってゆっくりと併走した。 
シャチは9メートルほどの大きな成獣である。 襲われれば全長5メートルのカヤックなどひとたまりも無いだろう。 ほんの10分ほどのことであったが、このように自分では何をすることも出来ない状態で、自然に接するということはとても感動的である。

P101-2692
シャチの群れ

漁港に戻ると、トドを解体している親子が居た。 学校をサボって父親についてきた中学1年生の子が、誇らしそうにトドの頭に手を突っ込んで見せた。

昨夜は快晴であったのだが、オーロラが出現しなかったため、せっかくの惑星直列と一緒に撮影することはできなかった。 西から東に向けて、水星、金星、三日月、火星、土星、木星が整列した。 

P101-2516
トーテムポール上空の月と金星

2004年3月25日 キンコーラス より。

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